轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちからもち

力餅

島崎 藤村

「力餅」研究社、1940(昭和15)年11月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 65,974 字 · 130 页

青空文庫

四 地大根

遠く山のすそのほうから引いてきてある水です。毎朝わたしはその細い流れへ顔を洗いに行きます。そこはせんたくすることを禁じられているような場所ですが、どうかするとこまかい砂が水にまじって流れてきていて、手にもすくえないことがあります。清水と言いたいが、飲用水には使いがたい。そんな水ではありましたが、都会から行ったわたしは餓えかわいた旅人のようにして、その荒く冷たい水の中へ自分の両手をひたし、そこからわきあがる新しいよろこびを覚えました。

四 地大根

浅間のふもとでは、石ころの多い土地にふさわしい野菜がとれます。その一つに、土地の人たちが地大根と呼んでいるのがあります。あの練馬あたりの大根を見た目には、これでも大根かと思われるほど、ずっと形もちいさく、色もそれほど白くなく、葉を切り落とした根元のところはかぶのような赤みがかった色のものです。

長い冬のために野菜をたくわえるころが来ますと、その大根を洗ってたくあんにつけるしたくをするのが、小諸へんでの年中行事の一つになっています。わたしが東京から出かけて行った初めのころには、よくそう思いました。この土地には、こんなあわれな大根しかできないのかと。