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かいじんとしょうねんたんてい
怪人と少年探偵
江戸川 乱歩
「こども家の光」家の光協会、1960(昭和35)年9月~1961(昭和36)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 36,648 字 · 74 页
「ここにあるんだよ。いいか。ほらっ……、わははははは……」
どこかで、カチッと音がしたかと思うと、ふたりの少年の足の下は、なんにもなくなってしまいました。つまり、立っていた、ゆか板が、パタンとおちて、そこへ、まっくろな大きな穴がひらいたのです。ふたりは、アッというまに、ふかい穴の中へ、おちこんでいきました。
そのままおちたら、おしりやせなかを、ひどくうって、けがをしたかもしれませんが、ふたりは、こういう冒険には、なれていたので、すぐ、足をグッとまげて、とびおりの姿勢になり、下へ足がついたときに、ピョイピョイと、とぶようにしました。五メートルもある、ふかい穴でしたが、ふたりとも、そのおかげで、すこしもけがをしなかったのです。
そこは二メートル四方ほどの、ふかい地下室で、かべもゆかもコンクリートです。窓もドアもなにもなく、四角な井戸の底のような場所でした。
上を見あげますと、おとし穴になっているゆか板が、二つにわれて、たれさがり、その穴の上から、人形の顔がのぞいていました。
「わはははは……おれのうちには、いろいろな、しかけがあるんだ。ボタンをおせば、ゆか板が口をひらいて、きみたちを、のんでしまう。