轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

「キング」大日本雄辯會講談社、1931(昭和6)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,213 字 · 325 页

青空文庫

山城探索

途端である。

「この野郎っ」

ばらばらッと、左右から躍り出した若者が、有無を言わさず、彼を組み伏せて、

「親方! 怪しい奴を捕まえたッ。はやく提灯を貸してくれ」

と、呶鳴った。

「なに、怪しい奴?」

すぐに、一人の男が提灯を持って来て、彼の顔へかざした。

「やっ? 加山さんじゃありませんか。野郎ども、慌てるな。これや耀蔵様だ」

「えっ」

と、一同も驚いたが、耀蔵もびッくりした。

「オオ、お前は舟辰じゃないか。どうしたんだ、こんな所へ」

「あっしは、老先生に、花世様の守護をいいつけられて、此寺に見張をしているんですが、旦那こそ、どうしたんです」

「俺は今、怪美人の玉枝を此寺まで追いつめて参ったんだ」

「だって、誰も、この寺へはいって来た者はありませんぜ」

「イヤ、たしかに今、駕から降りて、この寺内へ駈け込んだ筈だ」

「筈だと言っても、ねえものはしかたがない……」

「そこの窓に、ちらと見えた女の影は?」

その声を聞くと、方丈の窓を、さらりと開けて――

「加山耀蔵様ではありませんか。まことに、しばらくでございました」

と、麗しい女の声がした。

はっとして振り仰ぐと、富武五百之進の娘の花世である。