轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1931(昭和6)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,213 字 · 325 页
妖女か落胤か
老公は、懺悔された。その昔まだ部屋住の壮年ごろ、江戸表に在府中、人知れず向島の小梅に囲っておいた愛妾があったということ。そして、その愛妾にはひとりの男子が生れ、やがてその男子は素姓をつつんで小普請組の石川某にもらわれて行ったが、その後、ひとかどの武士となって後、何かのまちがいで同役と争いを起し、四人の遺子をのこして切腹して果てたということ。
むろん、家名は没取である。
離散した一家、杳として、あとの消息はわからない。
龍山公も、時には、思い出すこともあったが、いつとはなく、血縁のうすいものと、忘れ果てていたのである。
正統派の家臣たちは、それこそ正しい龍山公のお孫である。といって俄に小普請組の石川某の遺子たちを探しはじめた。お孫であればまだみんな、若い、稚い、お方たちに相違ない。その四人のうちの一人を見つけてお迎えしてこそ、初めて、お家は万代である、亀山六万石は初めて明るい甦生をするのだといっていい! こう正統派の家臣たちは主張してやまなかった。
妖女か落胤か
そこで、羅門塔十郎のところへ、ある時、非公式の使者が訪れた。
(龍山公のご落胤であるその四名のお孫たちを、ぜひとも、探し出してもらいたい)