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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

「おだまり」

カングリ警部はギロリと一睨み、なるほど凄い睨みである。

「それで、みなさんは全員一緒に帰られましたか」

答える者がない。すると神山東洋が、

「先ずですな。土居光一画伯が大八車の後押しをして、この大八車には内海さんがのってましたな、この一行が先発で、若い衆が二人でひきますから、土居先生の後押しもいれて三人、猛烈な速さでグングン谷を上って行きましたな」

「大八車が、なぜ、ありましたか」

「屍体を運んできたのです」

「屍体を運んできて、すぐ戻らなかったのはなぜですか」

「それは都会の人力車や円タクと違いますよ。田舎の若い衆が旦那の家へ手伝いにでて、すぐ帰りゃしませんぜ。薪をつむとか、色々火葬場では人手のいることがタクサンあるじゃありませんか」

警部はヨミスギ刑事をふりむいて、

「二人の若い衆はきてるか」

「ハア、昨日の関係者は全部あちらの部屋に呼んであります」

そして、和三郎に清という二人の若い衆をよんできた。

「内海さんをどこまでお乗せしたかね」

「ハア、お屋敷の裏の山径の上でがす」

「三輪山へ別れ径のところだね」

「ハア、その三十間ほど上手でがす。そこから三十間ほど坂を降ると、別れ径でがす」