轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
まったく母はタタミをむしりながら苦しみ死にを遂げたもので、何本注射をしてもダメだった。これは心臓ゼンソクの普通のことで、特別どうということはない。然し苦悶の様相のうちのたぶん極限のものだろうから、ここへたとえば毒殺という外からの手段が加えられても見分けはつかない。外に出血とか死斑とか、そういうことは別として、苦悶の様相だけでは、ね。然し、出血も死斑も特別なものは何もなく、死んでからは安らかな顔で、もとより毒殺などとは誰一人考えた者もなく、葬ったのだ。そんな噂が私たちの耳にとどいたのは今年になってからだろう。臨終には女中から出入の者まで集っていたのだから、苦悶の様子を見ている。山中の暇な村人だから尾ヒレがついて、そんな話になったのだろうが、ほッてもおけないから海老塚医師にききただしたら、大きな目玉をむいたきり、返事もしなかった。あれはそういう人物で、分りきったことには返事をしないタチなのだ。ビッコで、そういう不具のヒガミからきたような偏屈なところがあって、お喋り嫌いの人づきの悪い男だ。そのうち、食事に家族が集ってる時、珠緒の奴がふいに私に向って、近ごろ村じゃアお兄さんがうちのお母さんを毒殺したんだなんて噂があるそうよ、と大きな声で言いやがった。