轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

然し、又、これを逆に、あんまり疑られ易い手掛りを残すから却って疑られない、その急所を見込んで、わざとトリックを弄するという細工も成立つじゃありませんか。諸井さんは、知性の勝ちすぎたお方だからね。失礼ながら、あなたのように深遠な御婦人ともなると、謎のように、我々三文文士は色々とカングッたり致しますよ」

失敬千万な言い方であるが、近頃この家の客人どもは、挨拶代りに、お前さんが犯人じゃないかね、といっそ言いきってしまう方が清潔のような状態になっているのであった。

諸井看護婦は私をジロリと見て、

「矢代さんは火葬場から、いっとうおそく、一人で戻っていらっしゃいましたわね」

「御説の通りですよ。ところで、諸井さんは、ずいぶん体格が御立派だなア。失礼だが、小男なみの腕力がおありじゃないかな」

巨勢博士はニヤニヤしながらきいていたが、

「王仁さんの場合は、靴のスズ、珠緒さんの場合はモルヒネ、なんとなく思わせぶりな何かが残してあるのですが、千草さんと内海さんの場合は、それに該当するようなものがありませんなア」

多門老人がききとがめて、

「なるほど、それは面白い。さすがに一つの着眼じゃ」