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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
花フダでもダイスでもバクチ打よりもインチキが達者なのです。指先の魔術使いなんですわ」
ピカ一のソファーのかたわらに、ちょうど碁盤があった。ピカ一は碁石をひとつ、つまみあげた。そして、あやかさんをからかうように、指先に碁石をはさんで、腕をつきのばした。指先の碁石は変幻出没、碁石が人をからかうような、生き物のような自在さである。ピカ一は指の魔術を使いながら、悠然として、
「東西東西、ここもと御覧に入れまする曲芸は黒白夢幻の恋の巻、ハイッ」
黒石のほかに、もう一つ、白石をつまんで二つ一時に指にはさむ。出没自由、熟練の妙をきわめている。ピカ一は悠々とあやかさんを見すくめて、
「殺人狂じゃあるまいし、オレがなんのために加代子さんを殺すのだ。すべて、殺人には動機がある。先ず、動機をさがして貰いましょう。ハイッ、東西東西」
カングリ警部は、どうやら内心、昂奮を押えかねているらしく、しかし、先ず悠々とタバコに火をつけて、人々を見廻した。おもむろに、あやかさんに向って、
「奥様が矢代夫人と食堂をでて行かれたのは何か御用があってですか」
あやかさんは顔をあからめたが、京子もモジモジ答えることができないので、