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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
加代子さんなんかは知ってたんじゃアなかったかなア。加代子さんが、臭いなア」
彼は益々ニヤニヤしながら、
「ねえ、奥さん。奥さんは加代子さんの親友だけど、加代子さんから、そんな話、きいたことがあったでしょう」
まったく露骨きわまる探偵ぶり、アイクチをふりかざして内ぶところにイキナリ飛びこむやり方であるから、京子もいささか気を悪くして、
「あら、巨勢さん、ひどいわ」
「イヤ、奥さん、悪くとらないで下さい。悪くとらないでと云ったって、全く、どうも、失礼を承知の上で、アグラをかいて訊かざるを得ない性質のことなんで。実はねえ、奥さん、あなたは多門さんの愛人だった御方ですから、多門さんからも、その話がなんとなくもれきこえたというようなことが」
「いいえ、ございませんでしたわ、そんなこと」
と、京子は気色ばんで、さえぎった。
「どうも、すみません」
博士はてれて、ニヤニヤした。
「ところで、先生、丹後先生は独身なんですか」
「独身らしいね」
「それで、愛人はいらっしゃらないのですか」
「どうだかなア。あんまり、そんな話は、きかないなア」
「珠緒さんには、丹後先生、相当、なんじゃなかったんですかなア」