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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
つまり交戦状態ですから、他人じゃなしに、敵ですな」
「なるほど。いや、不穏なる国際関係という奴は、身にしみて忘れがたいところです。それで、失礼ですが、和平の意志は御二方になかったのですか」
「ありませんでした。国際関係と違って、これは宿命的なものですよ。国家は永遠かも知れませんが、人間は五十年の命ですから、イヤな奴と和平の必要はないですよ。要するに我々は、すでに離婚しているようなものでした」
「それにしちゃア、君のミレンは女々しかったじゃないか」
と、ピカ一が遠慮なく口を入れた。
「ミレンという奴は女々しいところに本領があるのかも知れないが、尊公のミレンは、もう一つおまけがついて、ウヌボレ屋の威張り屋さん、女房を女中か品物みたいに考えるバカ殿様の一人なんだな。かりそめにも女流作家が、ムホンを起すのは無理がないさ。ヤキモチヤキもいいけれど、女房を君、人前で、三日男の肉体がなきゃア、とは、また、うす汚い根性じゃないか。宇津木さんよりも、お前さんの根性が見下げ果てた、さもしさ、あさましさなんだ」
木ベエは蒼ざめて目を怒らせたが、反撃の言葉に窮した様子であった。