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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

諸井琴路看護婦を拷問し、全身に無数の火傷と刺傷を与えて瀕死の重態に陥入らしめた現行犯として、まず、海老塚晃二氏を逮捕いたさなければならないのです」

海老塚は二人の刑事に連れ去られた。

「どうも、お騒がせ致しました」

と、カングリ警部が立去ろうとするのを、

「いったい、どうしたのですか」

と、きくと、

「イヤ、もう、無茶ですよ。今夕、病院が終ると、先生、病院の鍵をかけ、諸井看護婦を裸に縛りあげて、焼火箸と、外科のメスだの鋏だの取そろえましてね、驚くべき拷問をはじめたのですね。その結果、つまり、偽善者、三宅木ベエ、という件りを白状させて、ここへ乗りこんで来たわけですよ。私たちは近所の人から悲鳴の密告をうけて、海老塚医院へ駈けつけたのですが、まさしく、狂人のふるまいです。目も当てられぬ惨状ですよ。肉はこげ、一面に血はあふれ、毛髪は掴みとられ、何がさて、医者が犯人じゃア、手当の仕様もないでしょう。それでも仕合せにヨミスギが看護卒か何かいくらか医者の心得がありまして、兵隊流に荒っぽく何とかやっておりますが、命をとりとめれば、よろしい方ですよ」

「すると、今までの事件も、彼が犯人ではありませんか」