轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

だから、四丁鼻だけ可愛がってあげよう」

「ふうむ、そうか」

「うれしいだろう。ねエ、ちょいと」

と、アタピンに頬ッペタをつつかれて、八丁鼻はグニャグニャする。アタピンはすっかりノボセあがって、

「今夜は、素敵じゃないの。この秋に、東京のフグ料理で結婚式をあげようよ。あんた、貯金、もってる」

「恥をかかせるもんじゃないよ」

「うん、よしよし、フグぐらい、私がたべさしてあげるよ」

いやはや、奇怪な濡れごと騒ぎ、いかなる妖魔も殺人鬼もこの時ばかりは羞しくて出られたものじゃないなどとは素人の考え、明方の四時というころに、濡れごとの扉を距てた向う側に、けたたましい悲鳴が起った。一馬とあやか夫人の部屋である。

争う必死の音がする。力つきて倒れる音。そして音は終ってしまった。

扉を押したが鍵がかかっているから、

「オイ、二人はこの場を動くな」

八丁鼻は階下へ駈け降りる。かねて用意のハシゴをかけて、カングリ警部と二人、外から窓を叩きわって、はいる。

電燈が消されているから、二人は用意の懐中電燈で室内をてらした。

床に人が倒れている。胸もあらわにあやか夫人が仰向けに倒れ、その上に折重って俯伏しているのは一馬であった。