轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

珠緒さんだ。急に秋子さんを指して、ヒステリックに叫んだ。

「犯人はわかっています。女流作家、宇津木秋子先生。やっぱり偉いのね。人殺しぐらいできるんだから」

珠緒さんは立上って、手品の種あかしをするように、握りしめていた小さな何物かを、指先につまんで人々に示した。

「このライター、宇津木先生御愛用のダンヒルでしょう。宇津木先生以外にダンヒル御使用のハンサム・ボーイはいないから。王仁さんの枕元のデスクにあったのです。デスクの灰皿には、口紅のついたシガレットの吸いさしもあります。私が昨夜あの部屋を立去るまでは、こんなものはなかったのです。全巻の終り」珠緒さんはライターを食卓の上へ投げころがして、アクビでもするように、椅子にめりこんだ。秋子さんは宣告を受けた罪人のような顔だった。そして、力つきたように顔をふせたがやがてビリビリふるえる顔をあげて、

「私が殺したなんて、嘘ですわ。短刀なんて、そんな、私は知りません」

「止しましょう。犯人だなんて。それは確かに誰かが殺したんでしょうけど、誰だって、あいつを殺したい気持なら、同じように持ち合せているだけのことさ。尊敬すべき代表選手に犯人という称号は当らないや。