轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
珠緒さんは、そういうことを知っていた。丹後も王仁も珠緒さんが好きだったが、珠緒さんは悪どい人だから、才能で負けている丹後をさらに自分の問題でも苦しめて遊ぶ、そんな風なイヤな感じのところがあった。丹後は表面冷静な気取り屋、お澄し屋さんだから、内々の苦しみをチクチクいじめてやる、珠緒さんにはそういう人の悪い思いあがったところがあった。
私は王仁の消滅には祝杯をあげたい気持で、犯罪とか犯人などということにはまったく無頓着、念頭にもなかったが、珠緒さんが殺されてみると、私は始めて犯罪ということをヒシヒシと考えさせられ、例の一馬の手紙のこと、招かれざる客たちのこと、それからそれへと考えざるを得なかった。
この山中では夜は特別冷えるから真夏でも雨戸を閉ざすのは当然で、珠緒さんの寝室の廊下の雨戸も閉ざされており、閂もかかっていたが、然し例の田舎の習慣で、戸口の締りはいつもゾロッペイなのである。
珠緒さんの寝室は、私たちの住む洋館からも母屋からも人に知られず忍びこむことは容易で、その上、ここの庭には滝が二つある。一つは一丈ぐらいだけれども、一つは三段に分れて合せて六十尺ぐらいの飛瀑をなしており、深夜になると滝の音でピストルの音でも分らぬぐらい、別して、母屋のこのへんは滝のすぐ下だから、音がたちこめている。