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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

彼を待つもの「キング 第二十六巻第四号」1950(昭和25)年4月1日、はるかなる青春「キング 第二十六巻第五号」1950(昭和25)年5月1日、〔欠題〕「キング 第二十六巻第六号」1950(昭和25)年6月1日、兄の立場「キング 第二十六巻第七号」1950(昭和25)年7月1日、ある少女の役割「キング 第二十六巻第八号」1950(昭和25)年8月1日、父の孤独「キング 第二十六巻第九号」1950(昭和25)年9月1日、愛と死と生の戯れ「キング 第二十六巻第十号」1950(昭和25)年10月1日、運命に逆うもの「キング 第二十六巻第十一号」1950(昭和25)年11月1日、変転の外に「キング 第二十六巻第十二号」1950(昭和25)年12月1日、この日あるがために「キング 第二十七巻第一号」1951(昭和26)年1月1日、二つの未来図「キング 第二十七巻第二号」1951(昭和26)年2月1日、希望の羽ばたき「キング 第二十七巻第三号」1951(昭和26)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 138,262 字 · 276 页

青空文庫

万事、間接の話では見当がつけかねるという結論に達したので、その旨、簡単に百瀬にあてゝ返事を認めた。

すると、折り返し――では、直接その娘を差し向けるから、本人の意向をよくたしかめて、適当な忠告をしてやつてくれ。もし、君の眼鏡で、全く見込みがないと思つたら、十分その非をさとらせた上で、田舎へ追い返すよう、くれぐれも配慮を頼む、というような、のつぴきならぬ交渉をして来た。

そして、その手紙を追いかけるように、百瀬しのぶが、彼の家の玄関に、もう、田舎出の小娘とは見えぬキリヽとした姿で、立つていた。それは、京野等志がまだ食卓をはなれずにいる朝のひと時であつた。

妹の多津が取次ぎに出て、百瀬秀人の紹介で来た若い女のひとだという。紹介状の封のわきに「百瀬しのぶ持参」と書いてあつた。

「二階へ通してくれ。それから、あとで、多津もちよつと話を聴いてやつてくれよ。百瀬から手紙で頼まれていたんだ」

まだ家のものにはなにも話してないので、京野等志は、一同の物好きな視線に応えるように、そう言いながら、急いで茶を飲み干した。

「はじめまして……わたし、百瀬秀人の姪のしのぶでございます」