轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
前編「椿 創刊号」山本周五郎一人雑誌、1946(昭和21)年7月<br>中・後編「新青年」1949(昭和24)年1月~3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 104,300 字 · 202 页
どうせいつかはこうなる。おれか幸太か、どっちか一人はこの土地を出なくちゃあならないんだ、そして幸太が頭梁の養子ときまったからには、出てゆくのはおれとわかりきっていたんだ」
「でもどうして、どうして喧嘩になんぞなったの、幸さんとどんなことがあったの」
「今朝のことなんかたいしたことじゃあない、ただ喧嘩のきっかけがついたというだけで、はっきり云ってしまえば……」庄吉はそう云いかけてふと口を噤んだ、それから臆病そうな、けれどくいいるような烈しい眼つきで、おせんの顔をじっと見つめた、「……いやそれを云うまえに訊いて置きたいことがあるんだ、おせんちゃん、おれは明日、上方へ旅に出るよ」
「…………」
おせんはこくっと生唾をのんだ。
「江戸にいれば頭梁の家で幸太の下風につくか、とびだしたところで、一生叩き大工で終るよりほかはない、それより上方へいって、みっちり稼いで、頭梁の株を買うだけの金をつかんで帰って来る、知らない土地ならばみえも外聞もなく稼げるし、あっちは諸式がずっと安いそうだから、早ければ三年、おそくっても五年ぐらいで帰れるだろう、おせんちゃん、おまえそれまで待っていて呉れるか」