轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
一杯きこしめして、暫くしてもうわきへころりと横におなりになってスヤスヤ。やがて九時ごろになって、私が急に大きい声出して、笑いながら、さあおじさま、もうそろそろおいとまいたしますよって云ったら、むくり起き上ってパチパチして、改って御挨拶で、これも大笑いいたしました。こっちはすることがないから、かえりたいかえりたいと云っていらっしゃるのですって。せまくて、木を切ったりも出来ないからね。
でもこういう親子三人みていると、みんな単純な心持で、周子さんなんか、頭もそれなりにきいていて、なかなかいいわ。いろいろのことがないと私なんか時々はフラリと行って見たいようだけれど。さっぱりした気質ね。
富田みやげというせともの入りのわさびの味噌づけというのを頂きました。それと雲丹の玉というのを。あちらの雲丹は美味しいけれど、あなたは雲丹お好きだったかしら。私知らないわね。私たちの御飯に雲丹なんてあったことなかったことねえ。十月二十日すぎ防空演習が終りますから、そうしたらもう一度あの三人を何とか御せったいして、おじさまをおかえししましょう。六十六ぐらいでいらっしゃるのに、まだわかいのに。