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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《平の将門(たいらのまさかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 頁

青空文庫

……察するところ、忠平としては、紫陽花の君の仕返しを、貞盛に、やらせたものに違いない」

「それが、ほんととすれば、やがては、おれの身にも、何が、降りかかって来るかも知れぬ」

「だが、どんな拷問をうけようと、不死人が、貴様との関係まで、口を割るとは思われない。その辺は、心配するにも当るまいが、貞盛には、飽くまで、気をつけていることだ。何をたくむか、予測はできぬ。――いつか、おぬしの身の上ばなしに、故郷元の事情も聞いたが」

加茂の岸を、いつか、上がって、

「おい、叡山へ、行こうか」

ふいに、純友が、いい出した。

麓で、酒を買い、それを携えて、二人は、四明ヶ岳へ登った。

春霞の下に、京洛の屋根と、皇居の諸門が、望まれた。

「……ああ、平安の都、人間の都」

小次郎は、感慨にたえない。

十六、はるばる、坂東平野から、都へ上って、初めて、京都を見た日の美しい夢や希望と、今、見ている思いとでは、余りにも、ちがいがある。

きょうの歎声は、都への、嘲笑だった。また、人間の地上への、怒りだった。

「小次郎、ひどく、考えこんだじゃないか」

「うム……。ばからしさに、唖然としているのだ。