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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《平の将門(たいらのまさかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 頁
侠者の門
「心得ました。何を申し入れて来たか、会ってやりましょう」
不死人はのみこんで、すぐそこを退がって行った。
客といっても、二十騎の同勢である。馬は厩に預かり、人間は控えに通し、そして興世王だけを、客殿に案内した。
「てまえは、相馬殿の御内の者、八坂の不死人ですが」
と、彼は、将門に代って、応対に出た。そしてさっそく、来意をたずねた。
侠者の門
興世王は、亡命して来たのである。
ついに武蔵にいたたまれずに、一族をつれて、国外へ逃げて来たのであった。
前から不和な武芝とも、なお抗争をつづけていたところへ、都から新たに赴任してきた百済貞連とも合わないで、
「ここばかりが天地ではない」
と、夜陰に乗じて、武蔵を立ち退いて来たのである。
――が、ひろい天地とは思ったが、さて見まわす所、坂東十州の平野では、頼む木蔭も多くはない。
「どこへ行っても、昨今、相馬殿の名を聞かぬことはない。将門殿とは、かねて御面識も得ておるし、仁侠寛懐なお方とは、夙に、お慕い申しておる。甚だ押しつけがましいが、自分以下、一族ぐるみ、お館の端へ、身内の者としてお加えくださるまいか。……推参申したお願いの儀とは、じつはそんなわけでおざるが」