輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《平の将門(たいらのまさかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 頁

青空文庫

「じゃあ、おれの留守、おまえ達の世話は、その叔父二人が、見てくれたか」

「……いえ」と、つよく顔を横に振ると、三郎将頼は、肱を曲げて、涙の顔をかくした。

「三郎。何を泣く……。おれが、郷土を立つとき、いったじゃないか。おまえは、おれのいない後では、小さい兄弟中の、頭だぞと。――あの頃はまだおまえも、十二、三の洟垂らしだったが、もう、おれに次ぐ、いい若人。何を泣く。泣き面など、見せてくれるな」

「せっかく、お帰りになったばかりの兄上に、ベソは、お見せしまいと、きのうから、じっと、気を張りつめていたのです。――兄上っ。この館には、もう、父が遺してくれた遺産は何もありません」

「見たよ。稲倉も、武器倉も、……が、たいがい、こんな事だろうとは、おれも都にいるうちから、察していた。意外とは思わない」

「私たちは、ここにいても、叔父御たちの、召使も同様でした。多少、物事が分ってからは、不平を抱かずにいられませんでしたが、いえば、言下に――。(何を申す、汝らは一体、誰に育てられたと思う。幼少に親はなく、兄の小次郎もあの愚鈍、もしこの叔父たちがいなかったら、とうの昔に、豊田の郷も、この館も、他郡の土豪に攻め奪られ、汝らは、他家の奴僕に売られているか、命もあるか否か、知れたものではない。