輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《平の将門(たいらのまさかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 頁
――涙を、拭くのである。
将門は、立ちかねてしまった。腹がへったなどとも、いい出せない。
翁の名は、伏見掾といい、山城の生れだが、この地方へ下り工匠として移住してからは、単に野霜の翁とか、野霜の具足師とよばれている。
唯一の後援者であった良持の没後は、一時、部落の諸職とも、仕事を失って、途方にくれたが、その後、大串の源護が、それに代る以上の註文を出し始め、以来常陸源氏の諸家の武具をひきうけて、年中、手のあくことはないなどとも、話し出した。
「御先代の良持様にお納めした、美々しい御鎧やら、雑兵具足やら、弓、矛、長柄なども、おびただしい数でござりましたが、あれらの品々は、まだ武器倉に、そっくり、お伝えでござりましょうな。いちど、あなたのお体に合せた具足も、ぜひ、作らせていただきたいもので……」とも、いったりする。
将門は、つい淋しい顔をした。梨丸も、それをいわれると、感情が顔に見えた。地方の豪族の頼みとするのは、土の次には、武器なのだ。自分の主人には、その二つとも、今はない。
「明日の朝は、どちらへ向けて、お立ちでございますな」
翁は、もう泊るものと、独りぎめして、そう訊いた。