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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《平の将門(たいらのまさかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 頁

青空文庫

坂東平野は、赤城颪しや、那須の雪風に、冬が翔けめぐる朝夕となった。

すると、突として、朝廷から、官符をもって“将門追捕ノ令”が関東諸国へたいして、発せられた。その内容は、

(平小次郎将門事、徒党を狩り、暴を奮い、故なく、官田私園に立ち入り、良民を焚害し、国倉を掠奪し、人を殺すこと無数。――すなわち、同族良兼、源護、右馬允貞盛、ならびに、公雅、公連、秦清文等に協力して、暴徒を鎮圧、首魁将門を捕え、これを、朝にさしのぼすべきものなり)

と、いうのである。

ところが、諸国の郡司や押領使は、この官符をうけながら、いっこう朝命を奉じる様子はなかった。中央の命なるもの自体が、それほどまでに、地方には行われなかった証拠でもあるが、また一面、

「どうして、将門に、追捕が発せられて、良兼やその他には、何の科もないのか。――まして、この春の訴訟では、将門が、勝訴となって、帰国しているのに?」

という疑いも、多分にあり、お互いが、隣国の出方をまず見ているという態度であった。

官符の通達された範囲は、武蔵、安房、上総、常陸、下野の国々である。ところが、偶然にも、同じその年十一月末に、富士山の大噴火が起った。