輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《平の将門(たいらのまさかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 頁
彼の生国たる坂東地方にあっては、天皇のおん名はおろか、国司、郡司の知事級にたいしてすら、到底、おくびにも、いえた言葉ではない。たとえば、都の摂関家や、太政官の名を以て、地方の庁に官符をもたらす使者などに対してすら、慇懃、拝迎、文字どおり、下文の沙汰書を、土下座して、受けねばならないほど、絶対的な、卑下と高貴を、明らかにされている。
「なんだろう? この人たちは」
彼は、入京の第一夜に、第一の疑問にぶつかった。
だが、てんで見当もつかないのである。ようやく、落着き得た眼をもって仔細に連中の風俗を見ても、公卿の子弟かとも思えるような、人品服装の若者もいるし、猟師か、牛飼の親方かと思われる男だの、法師くずれに違いない者だの、野伏り姿の髯面だの、どこにも種族的な一致はない。
仲間同士で呼びあっている名前にしても、八坂の不死人を始めとして、禿鷹だの、毛虫郎だの、保許根だの、穴彦だの、蜘蛛太だのというだけで、これにも職業のにおいはない。だが、その放言の中には、折々、凡下ではいえない知的な批判があったりして、殊に、朝臣のくずれらしい八坂の不死人の言には、小次郎も、耳をそばだてた。