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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《平の将門(たいらのまさかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 頁
「草笛もだが――もっと若いきれいなのも三人ほど加えて行った方がいい。ケチなと思われては、おれの沽券にかかわるからな」
草笛は、ここの妓である。
もう三十にちかいが、水々しさが失せていないし、素朴といってよいほど、都ずれがしていない。
流連の酒のあいだに、この仲間が、ふと、将門のむかし話をしているのを聞き、
(あの人なら、わたし、よく知っています。東国にいるのなら、会いに行きたい。ええ、どんな遠国でも、行きますとも)
と、その小次郎が、まだ小一条の右大臣家に、舎人としていた頃、自分の許へ通っていた“好ましい初心なお客”であったことを、酔いにまぎらして、さんざんのろけちらしたのであった。
不死人も、当時の悪友のひとり。いわれてみれば、なるほど、そんな事もあった――と思い出されはする。
純友は、この里に、小次郎の古馴染みを見つけた事を、興深くおもって、ひとつ彼を驚かしてやろうと、草笛の身代を、楼の主にわたして、不死人と共に、東国へ連れて行ってやることになっていたのである。
だが、それだけでは、興がない。草笛は、いくらむかしの彼の恋人でも、三十といっては年をとりすぎている。