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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《平の将門(たいらのまさかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 頁
「新皇、万歳っ」と、さけび、もう次には、「わが君、万歳」と杯をもって、起ち上がる者があったり――「相馬の御子は、もともと、正しい帝血をひいておられるのだ。帝位をとなえても、何のふしぎがあろう。相馬の新皇、万歳」などと、演説する者が現われたり、いちど、毛穴から内に潜んでいた酒気が、反動的に、爆発したかたちで、その狂態と、乱酔の旋風は、いつやむとも見えない有頂天をつつんでいた。
さて、それからの悪ふざけであった。
将門の座を、高御座に擬し、天皇の拝をまねて、叙位除目の奏請をやる。
興世王や、玄明などが、ちょうどよく、衣冠束帯をしていたので、これが執奏となって、
「宣旨――」
などと、とりすまし、
「舎弟、平朝臣将頼を、下野守に叙せらる。御厨別当経明の子多治員経を上野守に。――文屋好立を安房守に。まった、平の将文を、相模守に任ぜられる」
などと、出放題なことをいうのが、いちいち拍手を呼び、爆笑を起し、将門までが手を打って、興じぬいている様子なので、彼らは、いよいよ図に乗っていた。
「右大臣。王城はどうする。新皇が即位されながら、王城の地も定まらないでは」
「いや、王城は、下総国、亭南の地とする。