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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《平の将門(たいらのまさかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 頁

青空文庫

先に立って、長い渡殿をゆく。廊の間――やがて対ノ屋の広間とおぼしき燭が見えると、大勢の笑い声がそこに聞えた。

「やあ。寄っていたのか」

「おう不死人か。よい折へ」

どれが主人やら分らない。小次郎には、いずれも同じ公卿の公達か、どこぞの御曹子たちに見える。

各※(二の字点、1-2-22)、円座を敷き、広床もせましとばかり、杯盤を、とり乱していた。貴族の子弟たちにしては、殺伐な光景でもある。しかし、この部屋、人々の服装は、官職のところにしても、朝臣以外な者たちではない。

「これは、左大臣家の小舎人、相馬の小次郎という者……。生れは、東国だが、父は亡き平良持。面がまえを見てもらいたい。なかなかたのもしげな若者だろうが」

これが、不死人の紹介のことばであった。

――そういう不死人も、思い合すと、初めて、八坂の焚火の仲間で見たときも、今夜の姿も、まぎれなく、公卿くずれにちがいなかった。市井の無頼漢とは、趣を異にしている。

「あ。……そう」と、正面にいて飲んでいた青年は、こっちを向いて、すぐ、気がるに杯を、小次郎へさした。

「私は、南海の海賊といわれる藤原純友です。