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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(五)金の鯉(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 136,062 字 · 276 頁
鑿の持主はすぐ捜し出されました。駒吉という若い男、まだ半人前ですが、人間が甘いのを可愛がられて、町内では知らない者もない人気者です。騒ぎの面白さに、自分の巣へも入らず、あちこちと野次馬について歩いているのを、これはガラッ八に首根っこを掴まれました。
「俺は何にも知らねえ、鑿は俺の物に違いないが、人なんか突いた覚えはねえ」
平次が静かに訊いても、すっかり逆上して、知らぬ存ぜぬの一点張りです。
「それじゃ、小屋へ入って、道具を持出した人間を知らないか」
「知らねえ、知らねえと言ったら、何にも知らねえ」
これでは手の付けようがありません。
試みに小屋へ行ってみると、壁といってもほんの筵を吊っただけ、道具箱の在処さえ知っていれば、外から手を入れて鑿を取出し、人間一人水中で突いた上、元の場所へ返しておけないことはなかったのです。
「この辺の様子を知っている者だろう」
平次もそう見当を付けるのに精一杯です。第一、駒吉の頭は水気どころか、ろくに油気もない始末で、火を付けたら、火口のように燃出しそうに見えるのです。
最後の一人、伊勢屋新六と百両の賭をした、坂倉屋忠兵衛も登場しなければなりません。