Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 156,866 characters · 318 screens

Aozora Bunko

話は要点を遥かに外れて、ともすれば愚痴になりそうです。

「そんな事はまアどうでもいいとして、娘がどうしたというんだ。それを聴こうじゃないか」

「ヘエ――、実はこういうわけでございます」

与次郎はたどたどしい調子で話し始めました。

女房に死に別れたのは十八年前、一人娘のお糸が、竹の中から生れた伝説のお姫様のように、美しく輝かしく育つのを楽しみに、下手物の道具を並べて、細々とやって来た与次郎ですが、三年ほど前から玉屋の養い娘お幾と踊の相弟子で懇意になり、その家へ遊びに行くうち、息子の金五郎と、好い仲になってしまったというのです。

提灯と釣鐘ほどの違いで、纏まりそうもない縁談でしたが、無理に割けば、相対死もやり兼ねまじき若い者の情熱に引摺られたのと、娘可愛さの与次郎の必死の運動が効を奏して、近頃になって玉屋もようやくその気になり、仮親でも立てて、春になったらお糸を嫁に――という話が進んでいたのでした。

養い娘のお幾は、金五郎と一緒にするはずでしたが、自然暖簾を分けて、外から養子でも迎えることになるでしょう。

「これで八方円く納まるだろうと喜んでいると、この騒ぎです。