Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 156,866 characters · 318 screens

Aozora Bunko

「着物の血を洗っていたと言うが、そんな事をしちゃ、かえって変に思われるだろう」

平次の言葉は峻烈です。

「ヘエ、――それも存じておりますが、血が付いていちゃ、気味が悪うございます」

「どうして付いた血だ」

「主人を介抱しようと思いましたので、ヘエ」

こう言ってしまえば何でもありませんが、平次は一脈の疑念が残っているらしく、番頭が向うへ行ってしまうと、ガラッ八に言い付けて、文次の身持と、金の出入、借金、貯蓄等のことを調べさせました。

三番目は妾のお直。

「親分さん、お手数を掛けて、本当に済みませんねえ」

主人が死んでも、化粧だけは忘れなかった様子で、帯の上を叩いて、こう流し眼に平次を見るといった、世にも厄介な人種です。

「お前さん、主人と仲が悪かったそうだね」

と平次。

「とんでもない、――主人は本当によく可愛がって下さいましたよ」

「二三日前から、出すとか、出るとかいう話があったそうだが」

「御冗談で――三月になったら箱根へ湯治に行く約束はしましたが、その話を小耳に挟んで、とんだことを言い触らした者があるのでしょう。本当に奉公人達というものは――」

自分が元奉公人だったお直は、二た言目には、このせりふが出るのでした。