Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
四
石山さんが隣村の葬式に往って居ると娘が駈けて来て、作代が逃げ出すと云うので、石山さんは遽てゝ葬式の場から尻引っからげて作代引とめに走って行く。勘さんの嗣子の作さんは草鞋ばきで女中を探してあるいて居る。些好さそうな養蚕傭の女なぞは、去年の内に相談がきまってしまう。メレンスの半襟一かけ、足袋の一足、窃と他の女中の袂にしのばせて、来年の餌にする家もある。其等の出代りも済んで、やれ一安心と息をつけば、最早彼岸だ。
線香、花、水桶なぞ持った墓参が続々やって来る。丸髷や紋付は東京から墓参に来たのだ。寂しい墓場にも人声がする。線香の煙が上る。沈丁花や赤椿が、竹筒に插される。新しい卒塔婆が立つ。緋の袈裟かけた坊さんが畑の向うを通る。中日は村の路普請。遊び半分若者総出で、道側にさし出た木の枝を伐り払ったり、些ばかりの芝土を路の真中に抛り出したり、路壊しか路普請か分からぬ。
四
四月になる。愈春だ。村の三月、三日には雛を飾る家もある。菱餅草餅は、何家でも出来る。小学校の新学年。つい去年まで碌に口も利けなかった近所の喜左坊が、兵隊帽子に新らしいカバンをつるし、今日から小学第一年生だと小さな大手を振って行く。