Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
ムロのおかみ
「だから中々遊んで居られませんや」
烏山の口で下りて、代を払い、南へ切れ込んだ。
雨は止んで居る。懐中電燈の光を便りに、真黒い藪蔭の路を通って、田圃に下りた。夜目にも白い田の水。蛙の声が雨の様だ。不図東の空を見ると、大火事の様に空が焼けて居る。空に映る東京の火光である。見る/\すうと縮み、またふっと伸びる。二百万の生霊が吐く息ひく息が焔になるのかと物凄い。田圃の行き止まりに小さな流れがある。其処に一つ碧い光が居る。はっと思うと、ついと流れた。螢であった。田圃を上りきると、今度は南の空の根方が赤く焼けて居る。東京程にもないが、此は横浜の火光であろう。村々は死んだ様に真黒に寝て居る。都は魘われた様に深夜に火の息を吐いて居る。
(明治四十五年 六月十日)
ムロのおかみ
目籠を背負って、ムロのおかみが自然薯を売りに来た。一本三銭宛で六本買う。十五銭に負けろと云うたら、それではこれが飲めぬと、左の手で猪口をこさえ、口にあてがって見せた。
ムロのおかみは酒が好きである。
ムロのおかみは近村の者である。夫婦はもと兄の家のムロに住んで居たので、今も「ムロ」さん/\と呼ばれて居る。