Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
(四)
上に幾分の効があったと知る事は、私共にとって大なる悦喜であります。
私も以前は農村に住んで農になり切れず、周囲に同化しきれぬきまり悪さを「美的百姓」などと自から茶かして居ました。然し其懊悩はもう脱けました。私共は粕谷に腰を据えました。私共は農村に骨を埋めます。然し私共は所謂農ではありません、私共の鍬はペンです。土は米麦も、草木もそだてます。畑の真中にだって、坊主にされながら赤松が立って居たり、碌に実が生らぬ柿の木さえ秋は美しく紅葉し、裸になっては平気に烏をとまらして居るではありませんか。私共は九州の土に生れて、彼方此方と移植され、到頭此粕谷へ来た雌雄相生の樹です。随分長い間ぐらついて居ましたが、到頭根づきました。もうちっとやそっとの風雨が来ても、びくともする事ではありません。あたりの邪魔にならぬ限り伐って薪にもされず成長をつづける事が出来ようと思います。
(四)
村の寄合などに稀に出て、私は諸君の頭の白くなったに毎々驚かされます。驚く私自身が諸君に驚かるゝ程齢をとりました。全く十七年は短い月日でありません。私共が引越当年生れた赤ン坊が、もう十七になるのです。