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Japanische Klassiker mit Furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

自動車

日々海を眺めて暮らした。海の魔力が次第に及ぶを感じた。三等船客の中に、眼が悪いので欧洲廻りで渡米する一青年があって「思出の記」を持て居た。ペナンからコロムボの中間で、余は其思出の記を甲板から印度洋へ抛り込んだ。思出の記は一瞬の水煙を立てゝ印度洋の底深く沈んで往ったようであったが、彼小人菊池慎太郎が果して往生したや否は疑問である。印度洋は妙に人を死に誘う処だ。

(明治四十二年 五月十二日)

自動車

九十一歳の父と、八十四歳の母と逗留に来ると云う。青山から人力車では、一時間半はかゝる。去年までは車にしたが、今年は今少し楽なものをと考えて、到頭以前睥睨して居た自動車をとることにした。実は自身乗って見たかったのである。

自動車は余の嫌いなものゝ一である。曾て溜池の演伎座前で、微速力で駈けて来た自動車を避けおくれて、田舎者の婆さんが洋傘を引かけられて転んだ。幸に大した怪我はなかったが、其時自動車の内から若い西洋人がやおら立上り、小雨を厭うて悠々と洋傘をひらいて下り立った容子のあまりに落つき払ったのを、眼前に見た余は、其西洋人を合せて自動車に対する憎悪を抑えかねた。