Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
都落ちの手帳から
千歳村
一
宇宙は生きて居る。人間は生きて居る。蛇が衣を脱ぐ如く、人は昨日の己が死骸を後ざまに蹴て進まねばならぬ。個人も、国民も、永久に生くべく日々死して新に生れねばならぬ。儂は少くも永住の形式を取って村の生活をはじめたが、果して此処に永住し得るや否、疑問である。新宿八王子間の電車は、儂の居村から調布まで已に土工を終えて鉄線を敷きはじめた。トンカンと云う鉄の響が、近来警鐘の如く儂の耳に轟く。此は早晩儂を此巣から追い立てる退去令の先触ではあるまいか。愈電車でも開通した暁、儂は果して此処に踏止まるか、寧東京に帰るか、或は更に文明を逃げて山に入るか。今日に於ては儂自ら解き得ぬ疑問である。
大正元年十二月二十九日
都も鄙も押なべて白妙を被る風雪の夕
武蔵野粕谷の里にて
徳冨健次郎
都落ちの手帳から
千歳村
一
明治三十九年の十一月中旬、彼等夫妻は住家を探すべく東京から玉川の方へ出かけた。
彼は其年の春千八百何年前に死んだ耶蘇の旧跡と、まだ生きて居たトルストイの村居にぶらりと順礼に出かけて、其八月にぶらりと帰って来た。帰って何を為るのか分からぬが、兎に角田舎住居をしようと思って帰って来た。