Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
露の祈
とは古人の句。醜い姿忌み嫌わるゝ悲しさに、大びらに明るい世には出られず、常に人目を避けて陰地にのたくり、弱きを窘めて冷たく、執念深く、笑うこともなく世を過す蛇を思えば、彼は蛇を嫌う権理がないばかりではなく、蛇は恐らく虫に化って居る彼自身ではあるまいか。己が醜くさを見せらるゝ為に、彼は蛇を忌み嫌い而して恐るゝのであるまいか。
生命は共通である。生存は相殺である。自然は偏倚を容さぬ。愛憎は我等が宇宙に縋る二本の手である。好悪は人生を歩む左右の脚である。
好きなものが毒になり、嫌いなものが薬になる。好きなものを食うて、嫌いなものに食われる。宇宙の生命は斯くして有たるゝのである。
好きなものを好くは本能である。嫌いなものを好くに我儕の理想がある。
「天の父の全きが如く全くす可し」
本能から出発して、我等は個々理想に向わねばならぬ。
露の祈
今朝庭を歩いて居ると、眼が一隅に走る瞬間、はッとして彼は立とまった。枯萩の枝にものが光る。玉だ! 誰が何時撒いたのか、此枝にも、彼枝にも、紅玉、黄玉、紫玉、緑玉、碧玉の数々、きらり、きらりと光って居る。何と云う美しい玉であろう! 嗟嘆してやゝしばし見とれた。