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Japanische Klassiker mit Furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

炬燵

縁の方へ廻れと云うたら、障子をあけてずンずン入って来たから、縁から突落して馬鹿と叱った。もと谷中村の者で、父は今深川で石工、自身はボール箱造って、向う賄で月六円とるそうだ。小説家なぞになるものでない、と云って聞かして、干柿を三つくれて帰えす。

(明治四十二年 一月十七日)

炬燵

雪がまだ融けぬ。

夜、二畳の炬燵に入って、架上の一冊を抽いたら、「多情多恨」であった。器械的に頁を翻して居ると、ついつり込まれて読み入った。ふっと眼を上げると、向うには鶴子が櫓に突伏して好い気もちにスヤ/\寝て居る。炬燵の上には、猫が咽も鳴らさず巴形に眠って居る。九時近い時計がカチ/\鳴る。台所では細君が皿の音をさして居る。

茫々たる過去と、漠々たる未来の間に、斯一瞬の現今は楽しい実在であろう。

またさら/\と雪になった。

余は多情多恨を読みつゞける。何と云うても名筆である。柳之助が亡妻の墓に雨がしょぼ/\降って居たと葉山に語る条を読むと、青山墓地にある春日燈籠の立った紅葉山人の墓が、突と眼の前に現われた。忽ち其墓の前に名刺を置いて落涙する一青年士官の姿が現われる。それは寄生木の原著者である。