Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
梅一輪
一
二
斯く妻が呼ぶ声に、彼は下駄を突っかけて、植木屋の庭の様に無暗に樹木を植え込んだ園内を歩いて、若木の梅の下に立った。成程咲いた、咲いた。青軸また緑萼と呼ばるゝ種類の梅で、花はまだ三四輪、染めた様に緑な萼から白く膨らみ出た蕾の幾箇を添えて、春まだ浅い此の二月の寒を物ともせず、ぱっちりと咲いて居る。極の雪の様にいさゝか青味を帯びた純白の葩、芳烈な其香。今更の様だが、梅は凜々しい気もちの好い花だ。
白っぽい竪縞の銘仙の羽織、紫紺のカシミヤの袴、足駄を穿いた娘が曾て此梅の下に立って、一輪の花を摘んで黒い庇髪の鬢に插した。お馨さん――其娘の名――は其年の夏亜米利加に渡って、翌年まだ此梅が咲かぬ内に米国で亡くなった。
其れ以来、彼等は此梅を「お馨さんの梅」と呼ぶのである。
「メェフラワァの帰り」のキャプション付きの写真
メェフラワァの帰り
二
米国の画家ヂャルヂ、ヘンリー、バウトンの描いた「メェフラワァの帰り」と云う画がある。メェフラワァは、約三百年前、信仰、生活の自由を享けん為に、欧洲からはる/″\大西洋を越えて、亜米利加の新大陸に渡った清教徒の一群ピルグリム、ファザァスが乗った小さな帆前船である。