Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
麦の穂稲穂
村の一年
一
主婦が云うた。
秋の野にさす雲の翳の様に、淡い哀がすうと主人の心を掠めて過ぎた。
麦の穂稲穂
村の一年
一
都近い此辺の村では、陽暦陰暦を折衷して一月晩れで年中行事をやる。陽暦正月は村役場の正月、小学校の正月である。いさゝか神楽の心得ある若者連が、松の内の賑合を見物かた/″\東京に獅子舞に出かけたり、甲州街道を紅白美々しく飾り立てた初荷の荷馬車が新宿さして軋らしたり、黒の帽子に紫の袈裟、白足袋に高足駄の坊さんが、年玉を入れた萌黄の大風呂敷包を頸からつるして両手で抱えた草鞋ばきの寺男を連れて檀家の廻礼をしたりする外は、村は餅搗くでもなく、門松一本立つるでなく、至極平気な一月である。唯農閑なので、青年の夜学がはじまる。井浚え、木小屋の作事、屋根の葺き更え、農具の修繕なども、此隙にする。日なたぼこりで孫いじりにも飽いた爺の仕事は、啣え煙管の背手で、ヒョイ/\と野らの麦踏。若い者の仕事は東京行の下肥取りだ。寒中の下肥には、蛆が涌かぬ。堆肥製造には持て来いの季節、所謂寒練である。夜永の夜延べには、親子兄弟大きな炉側でコト/\藁を擣っては、俺ァ幾括だ卿は何足かと競争しての縄綯い草履草鞋作り。