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Japanische Klassiker mit Furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

田川

田川

最初近いと聞いた多摩川が、家から一里の余もある。玉川上水すら半里からある。好い水の流れに遠いのが、幾度も繰り返えさるゝ失望であった。つい其まゝに住むことになったが、流水があったらと思わぬことは無い。せめて掘抜井でも掘ろうかと思うが、経験ある人の言によると、此附近では曾て多額の費用をかけて掘った人があって、水は地面まで来るには来たが、如何しても噴き上らぬと云うのである。水の楽は、普通の井と、家内に居ては音は聞こえぬ附近の田川で満足しなければならぬ。

彼の家から五六丁はなれて品川堀がある。品川へ行く灌漑専用の堀川で、村の為には洗滌の用にしかならぬ。一昨々年の夏の出水に、村内で三間ばかり堤防が崩れ、堤から西は一時首まで浸る程の湖水になり、村総出で防水工事をやった。曾て村の小児が溺死したこともあって、村の為にはあまり有り難くもない水である。品川堀の外には、彼が家の下なる谷を西から東へ流るゝ小さな田川と、八幡田圃を北から南東に流るゝ大小二筋の田川がある。

彼の屋敷下の小さな谷を流るゝ小川は、何処から来るのか知らぬが、冬は大抵涸れて了う。其かわり夏の出水には堤を越して畑に溢れる。