Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
三
かへり見れば十勝は雲になりにけり
心に響く斗満の川音
雲か山か夕霧遠く隔てにし
翁が上を神護りませ
斯く出たらめをはがきに書いつけ、石狩の鹿越駅で関翁宛に投函した。」
三
武蔵野の彼等が斗満を訪うた其年の冬、関翁は最後の出京して、翌明治四十四年の四月斗満に帰った。出京中に二度粕谷の茅廬に遊びに来た。三月の末二度目に来た時は、他の来客や学生なぞに深呼吸の仕方などして見せ、一泊して帰った。最早今回限り東京には出て来ぬ決心という話であった。主人は甲州街道まで翁を送った。馬車を待って乗るから構わず帰れと翁が云うので、翁を茶店の前に残し、少し用を達して戻りかけると、馬車はすれ違いに通ったが、車中に翁の影が見えない。と見ると茶店の方から古びた茶の中折帽をかぶって、例の癖で下顋を少し突出し、濡れ手拭を入れた護謨の袋をぶら提げながら、例の足駄でぽッくり/\刻足に翁が歩いて来る。此時も明治四十一年の春初めて来た時着て居た彼無地の木綿羽織だった。「乗れませんでしたか」「満員だった」「今車を呼んで来ます」「何、構わん、構わん」と翁が手を掉る。然し翁の足つきは両三年前よりは余程弱って見えた。