Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
家庭の模様を聞いてやっても、其れだけは何時もお茶を濁して来た。余は
北の国五百重につもる白雪も
埋みは果てじ胸の焔を
訳の分からぬ歌など消息の端にかきつけた。
間もなく君はまた郷里紀州に帰った。而して相変らず医を業としつゝ、其熬々を漏す為に「浜ゆふ」なぞ云う文学雑誌を出したり、俳句に凝ったりして居た。曾て夏密柑を贈ってくれた。余は
紀の国のたより来る日や風薫る
斯様な悪句を書いて酬うた。或時君の令弟が遊びに来た。聞けば、細君は別居して、家庭はあまり面白くもなさそうだが、遠隔の地突込んで聞きもならず、其まゝに打過ぎた。
梅雨季は誰しも発狂しそうな時節だ。安達君から、
梅霖欝々、憂愁如水
などはがきに書いて来た。
翌年の春、突然他の紀州の人から安達君が発狂して自殺したと知らして来た。驚いて令弟宛に弔状を出したら、其れと行き違いに先の人から、安達君は短刀で自殺しかけたが、負傷したまゝで人に止められたと云って、紀州の新聞を一枚送って来た。其れには安達君の直話として、苟も書を読み理義を解する者が、此様な事を仕出来して、と恥じて話して居た。
余は慰問状を出した。