Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
暮秋の日
都会が頭なら、田舎は臓腑ではあるまい乎。頭が臓腑を食ったなら、終には頭の最後ではあるまい乎。田舎はもとより都会の恩を被る。然しながら都会を養い、都会のあらゆる不浄を運び去り、新しい生命と元気を都会に注ぐ大自然の役目を勤むる田舎は、都会に貢献する所がないであろう乎。都会が田舎の意志と感情を無視して吾儘を通すなら、其れこそ本当の無理である。無理は分離である。分離は死である。都会と田舎は一体である。農が濫に土を離るゝの日は農の死である。都が田舎を潰す日は、都自身の滅亡である。
彼旗を撤し、此望台を毀ち、今自然も愁うる秋暮の物悲しきが上に憂愁不安の気雲の如く覆うて居る斯千歳村に、雲霽れてうら/\と日の光射す復活の春を齎らすを得ば、其時こそ京王の電鉄も都と田舎を繋ぐ愛の連鎖、温かい血の通う脈管となるを得るであろう。
(大正元年 十一月八日)
暮秋の日
竜田姫のうっとりと眼を細くし、またぱっと目をらく様な、曇りつ照りつ寂しい暮秋の日。
暦の冬は五六日前に立った。霜はまだ二朝三朝、しかも軽いのしか降らない。但先月の嵐が累をなしたのか、庭園の百日紅、桜、梅、沙羅双樹、桃、李、白樺、欅、厚朴、木蓮の類の落葉樹は、大抵葉を振うて裸になり、柿やトキワカエデの木の下には、美しい濶い落葉が落葉の上に重なって厚い茵を敷いて居る。