Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
日本では粕谷程好い処はありません。
諸君が手を拍いて喝采しました。
お世辞ではありません。全然です。
私は九州肥後の葦北郡水俣という海村に生れ、熊本で成長し、伊予の今治、京都と転々して、二十二歳で東京に出で、妻は同じ肥後の菊池郡隈府という山の町に生れ、熊本に移り、東京に出で、私が二十七妻が二十一の春東京で一緒になり、東京から逗子、また東京、それから結婚十四年目の明治四十年に初めて一反五畝の土と一棟のあばら家を買うて夫妻此粕谷に引越して来ました。戸籍まで引いたは、永住の心算でした。然し落ち着きは中々出来ないものです。村居七年目に出した「みみずのたはこと」は、開巻第一に臆面もなく心のぐらつきを告白して居ます。永住方針で居たが、果して村に踏みとどまるか、東京に帰るか、もっと山へ入るか、分からぬと言うて居ます。其挙句が前述の通り十年のドウ/\廻りです。私は自分の幼稚な吾儘と頑固な気まぐれから、思うようにならぬと謂うては第一自分自身がいやになり、周囲がいやになり、日本がいやになり、世界がいやになり、到頭生きる事がいやになり、自己を脱けたい、何処ぞへ移りたい、面倒臭い、いっそ死んでのけたいとまで思いつめ、落ちつく故郷を安住の地をひたもの探がし廻ったのでした。