Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
(三)
然し新造が見えすいて居る住居に、大工左官を入れるも馬鹿らしいので、地震後一月あまり私は毎日鎚と鋸と釘抜と釘とを持って、壁の大崩れに板や古障子を打ちつけ、妻や女中が古新聞で張って、兎や角凌いで居ます。書斎も母屋も壁の亀裂もまだ其ままで、母屋に雨のしと降る夜はバケツをたゝく雨漏りの音に東京のバラックを偲んで居ます。
(三)
九月一日の地震に、千歳村は幸に大した損害はありませんでした。甲州街道筋には潰れ半潰れの家も出来、松沢病院では死人もありましたが、粕谷は八幡様の鳥居が落ちたり、墓石が転んだ位の事で、私の宅なぞが損害のひどかった方でした。村の青年達が八幡様の鳥居を直した帰途に立寄って、廊下の壁の大破を片づけたり、地蔵様を抱き起したりしてくれました。後は前述の如く素人大工で済ませて置きます。九月一日の午餐と夕食は、母屋の庭の株立ちの山楓の蔭でしたためました。今夜十二時前後に大震が来るかも知れぬ、世田ヶ谷の砲兵聯隊で二発大砲が鳴ったら、飛び出してくれ、という不思議な言いつぎが来て、三日の夜の十一時半から二時頃まで、庭のの木に提灯つるして天の河の下で物語りなどして過ごした外は、唯一夜も家の外には寝ませんでした。