Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
二子の渡の近所から貰って来たと云う。鼻尖から右の眼にかけ茶褐色の斑がある外は真白で、四肢は将来の発育を思わせて伸び/\と、気前鷹揚に、坊ちゃんと云った様な小犬である。既に近所からもらった黒い小犬もあるので、二の足踏んだが、折角貰って来てくれたのを還えすも惜しいので、到頭貰うことにした。今まで畳の上に居たそうな。早速畳に放尿して、其晩は大きな塊の糞を板の間にした。
新来の白に見かえられて、間もなく黒は死に、白の独天下となった。畳から地へ下ろされ、麦飯味噌汁で大きくなり、美しい、而して弱い、而して情愛の深い犬になった。雄であったが、雌の様な雄であった。
主夫妻が東京に出ると屹度跟いて来る。甲州街道を新宿へ行く間には、大きな犬、強い犬、暴い犬、意地悪い犬が沢山居る。而してそれを嗾しかけて、弱いもの窘めを楽む子供もあれば、馬鹿な成人もある。弱い白は屹度咬まれる。其れがいやさに隠れて出る様にしても、何処からか嗅ぎ出して屹度跟いて来る。而して咬まれる。悲鳴をあげる。二三疋の聯合軍に囲まれてべそをかいて歯を剥き出す。己れより小さな犬にすら尾を低れて恐れ入る。果ては犬の影され見れば、己ところんで、最初から負けてかゝる。