Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
他の二人のひとたちも、顔を見合せてにこにこ笑った。
「ファウストをお読みになったのですね? あなたがひとりで選んだのですか?」
「いいえ、兄さんにも相談しました。」
「それじゃ、兄さんが選んで下さったのですね?」
「いいえ、兄さんと相談しても、なかなかきまらないので、僕がひとりで、きめてしまったのです。」
「失礼ですけど、ファウストがよくわかりますか?」
「ちっともわかりません。でもあれには大事な思い出があるんです。」
「そうですか。」また笑い出した。「思い出があるんですか」柔和な眼で僕の顔を見つめて、
「スポーツは何をおやりです?」
「中学時代に蹴球を少しやりました。いまは、よしていますけど。」
「選手でしたか?」
それからそれと、とてもこまかい所まで尋ねる。お母さんが病気だと言ったら、その病状まで熱心に尋ねる。ちかい親戚には、どんな人がいるのか、とか、兄さんの後見人とでもいうような人がいるのか、とか、家庭の状態に就いての質問が一ばん多かった。でも自然にすらすらと尋ねるので、こちらも気楽に答える事が出来て、不愉快ではなかった。最後に、
「春秋座の、どこが気にいりましたか?」