Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

それから、また暫くあって、例の一重ねの衣類を小腋にしたまま、屋形船に帰るところの机竜之助を見ました。

その翌朝、お雪ちゃんは、恥かしいほど朝寝をしてしまいました。眼がさめて見ると、竜之助は宵のほどと同じこと、自分とは、T字形に横になっているのに気がついたが、久助さんの姿は見えません。

久助さんは、もう起きてしまったのだ。昨夜のつもりでは、こんなに落着いて朝寝のできるはずではなかったのに、疲れていたとはいえ、どうも自分は暢気な性質に生れ過ぎているのかも知れないと考え、あわただしく起き直って見たけれど、船の外にも久助さんの姿は見えません。

わたしに気のつかないように、もう出かけてしまったのだ。出かけるといったところで、どこへ行きようがあるものですか、さしあたっての今日の活計のために、あのお救い米だとか、施行小屋だとかいうところへ行ったのでしょう――全くそれは久助さんのことだけではない、自分の眼の前の朝の生命の糧が差迫っている場合、お雪ちゃんは、寝過ごしたことを恥かしくも思い、これから生活のために真剣にならねばならぬと、身をハネ起してみました。

起きてみたけれども、洗うが如くというよりは、本来、洗われてしまっている着のみ着のままの我、どうにもこうにも仕様がないその圧迫に打たれてしまいます。