Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
五十一
であるかないか、そのことは存じませんが、もし真如と無明との御解釈を御了解になりたいならば、それは馬鳴菩薩の大乗起信論をお聴きなさるに越したことはなかろうと存じますのでございます……」
五十一
「大乗起信論と申しますのは……」
ここまで来ると、弁信法師の広長舌が無制限、無頓着に繰出されることを覚悟しなければなりません。
鐙小屋の神主も、池田良斎も、お喋り坊主のお喋り坊主たる所以を知っても知らなくても、この際弁信のために、饒舌の時とところとを与えて控えるのは、やむを得ないことでもあり、また二人としても、この奇怪なるお喋り坊主から聞くだけ聞いてみないことにはと観念もしたらしく、鐙小屋の神主は相変らず夷様の再来のように輝き渡っているし、池田良斎は一隅に割拠したまま沈黙して、湯の中で身体をこすっています。
さてまた、一方の湯槽の隅に短身と裸背を立てかけた弁信は、果して滑らかな舌が連続的に鳴り出して来ました、
「御承知の通り、馬鳴菩薩のお作でございまして、釈尊滅後六百年の後小乗が漸く盛んになりまして大乗が漸く衰え行くのを歎いて、馬鳴菩薩が大乗の妙理すなわち真如即万法、万法即真如の義理を信ずる心を起さしめんがためにお作りになったものだそうでございまして、真如と無明との縁起がくわしく説いてございます。