Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
五十二
浴槽の中で三人がこうして論議に我を忘れ、環境を忘れている間、炉辺を守るところの他のすべての連中は、相変らず山の鳴動に胆を冷し、濛々たる灰煙の降りそそぐのに窒息を感じていたが、三人の湯がばかに長いのを思い出して、心配のあまり、様子をうかがいに来て見るとこの有様で、いつ果つべしとも思われぬ長広舌が展開されていることに、呆れ返らざるを得ませんでした。
五十二
それらのことよりも、もう一倍これらの人々を驚き呆れしめたところの出来事は、この三人のうちの二人が、お湯から上ると早々、足ごしらえをはじめ出したことです。
三人のうちの二人というのは、弁信と鐙小屋の神主とのことで、この二人は別段、申し合わせたわけではないが、同時に発足の用意をはじめましたから、一座があわててその発足の理由をたしかめると、鐙小屋の神主さんは、これから焼ヶ岳の噴火の現場へ登れるだけ登って見届けて来るとのこと、弁信法師はといえば、これから安房峠を越えて、飛騨の平湯の温泉へ参りますとのこと。
これには良斎はじめ一座が、眼前へ焼ヶ岳の爆破の一片が裂けて飛んででも来たほどに驚きました。驚いたうちにも、神主様の方はまあ修行が積んでいることでもあるし、この辺の主のようなものだからいいとして、弁信の奴がこの鳴動の真只中を出立するとは、いくら盲ら滅法といっても