Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
六十
男はみんなああして戦って死にます、女はこうして、身投げをするのですね。ごらんなさい、あの肉体はみんな、この池へ身を投げた女人たちでございます。もしやお雪ちゃんも、そのなかの一人となっているのではないかと、そんなような気がしましたものですから……」
六十
その時、どちらがどうしたはずみか、中に置いた銀壺を覆して、その水を地上にぶちまけてしまいました。
「あっ!」
竜之助が、驚いてそれを引起そうとすると、弁信が、
「いいえ、かまいません」
弁信にとっては与えるほどの水だが、竜之助にとっては、その一滴も救生の水でありましたから、さすがこの人も勿体ないと感じたのでしょう。
「惜しい、惜しい、この水一滴あれば、人一人の命が助かるのだ」
竜之助は倒れた壺を引起しながら、こう言うと、弁信が、
「全く水は貴いものでございます、人は食物が無くても一カ月余りも死なないでおりますが、三十六時間、水がなければ、斃れてしまいます」
「その通り――惜しいことをした、この水……」
「いいえ」
一方がしきりに惜しがるを、一方は事もなげにしている。
「ああ、この水のあとが青くなった」
竜之助は眼をすまして地上を見ました。